頭文字D マンホール 制作秘話『initial D』manhole

 

 群馬県渋川市と頭文字Dがコラボしたアニメツーリズム推進事業の一環として、この度マンホール7種とポスターを描き下ろしました。

 

 

 

 

頭文字Dが25周年記念という事もあり、現在作品の聖地、群馬県と渋川市では2021年7月31日まで沢山のイベントが行われています。

 

るるぶトラベルさんからの宿泊予約で様々な特典グッズのプレゼントも。(マンホールイラストコースターなど)詳細は下のバナーから特設サイトをご確認下さい。

 

 

 

 

 

今回はマンホール制作秘話をご紹介。

 

 

 

 

漫画、アニメのマンホールというと、鋳造型かプリントシールの種類になるそうです。

 

頭文字Dのマンホールは鋳造型では原作の再現が難しいとなり、いったん白紙になりかけました。そこでライデンフィルムのプロデューサーから「鋳造型で行けるとプレゼンしよう!とりあえず一枚描いてくれ」と提案があり、描いたところ、当初の予定通り鋳造型が実現したのでした。

(劇画系の漫画はプリントマンホールになる事が多い。北斗の拳やジョジョなど)

 

 

 

 

そのときのPとの会話は、「プリントになった場合描き下ろしはアニメ絵になるんですかね」「原作のカラーイラストならいいけど」「描き下ろしは鋳造型がいいですよ。プリントでアニメ絵はやだな」それをアニメ制作側の人間が言うなよ、という風になった覚えがあります。もちろんそれは企画の為を思っての発言ですが。企画というか作品愛というか。

 

 

 

 

マンホール案件は当初Pがかなり喜んでいて意外でした。私は私で嬉しさと同時に、しげの先生の描き下ろしが見たかったなぁという残念な思いと、この7枚を自分が描くのか…というプレッシャーと不安がすごくて。でも頭文字Dがマンホールになるなんて、奇跡だと思ったので(公道最速理論漫画だから…)実現して本当に嬉しいです。ご尽力頂いた方々に感謝の気持ちで一杯です。

 

 

 

 

7枚の図柄は指示書があり、その通りに再現しています。基本的には、あるものは全て原作を元にして描き起こして、マンホールで使用できる24色の中から色を配置してと、作画よりは配色やデザインで悩みました。

 

ポスター&マンホールは、打ち合わせから納品まで、1年くらいかかったプロジェクトでした。納品後にコロナが流行したので、この企画はお蔵か?と心配でしたが、無事発表されて一安心です。

 

 

 

 渋川駅前です。ロケハン時この場所に集合して、渋川市役所の方のお車で市内の設置予定箇所を案内して頂きました。とても楽しいガイドツアーでした。感謝でございます。

 

背景に描かれている緑と白の横縞と、赤い屋根が目印の建物、渋川駅前プラザでは地産物や頭文字Dのお土産などが購入出来ます。民芸こけしもあるようです。頭文字Dもこけしにならないかな。かわいいな。

 

ロケハン後、Pはここで86黒カレーをお土産に買っていました。マンホールカードもこちらで簡単なアンケートに答えるだけで無料で貰えます。この時は「日本の真ん中」マンホールカードを頂きました。このあと連れて行って頂いたのは「へそ地蔵」。渋川の日本の真ん中押しが強い…。

 

拓海と86は指定された2巻の表紙、しげの先生のカラーイラストから描き起こし、背景のみ設置場所と同じ景色の駅前に変更しています。

 

 

 

 

 ご存知、原作2巻の14、15Pの見開き場面から起こしています。円に収まるように微調整。7枚のマンホールの中で一番気に入っています。お馴染みの擬音が入ってコミックス感が出ているのと、配色のバランスが上手くいって好みです。

 

ライトの表現をどうしようかギリギリまで悩んだ記憶があります。原作には 電柱は描かれていませんが、現在電線が見えるので反映させました。

 

ロケハン時のお天気はがっちり曇雨で、景色を取材したかったのに霧が出て参りました…。標高が高いから、雨が降るとすぐ霧に覆われますね。この後も榛名湖を案内して頂きましたが、すごいサイレントヒルでした。なので遠景より路面を見ていたんですけど、スタート地点の路面がかなりワイルドでしたので、現在の路面状態をこちらの絵でも反映させてます。でも、そのうち舗装されちゃったりして…。

 

 

 

 

 

 

 ロケ時、このマンホールの仮設置場所に案内して頂いた時に、ちょうど86が走り去って行って、若い女性2人組が撮影している場面に遭遇しました。平日なのにすごい人気ですね〜とその場が和みました。

 

この絵だけは、どう描いていいか分からず大変不安で自信が無かった図柄です。答えは原作の中にある!という感じで漫画を何時間も見て抽出しました。

 

原作は読めば読むほど発見があって、まだまだ読み込めて無いなと思います。発注で原作引用された指示があっても、「このシーンはこのストーリーの流れがあってこうなんですけど、それで描いて大丈夫ですか?」みたいな確認をさせて頂いてるので、毎回熟読と確認に余念がありません…。

 

シルエイティは真子の憧れ、涼介を追いかけるような配置に。FDFCはパラレルドリフトのシーンから。86は秋山戦のシーンから。枠線を入れてコミックスのシーン感を出してみました。

 

マンホールデザインには実用面で上を歩いて滑らないよう、凹凸率を均等にする必要があるのですが、この凹凸率を出すために、原作お馴染みの「塵」が大活躍してくれました。アメージング塵。

 

 

 

 

 こちらも原作のカラーイラストのイメージでと指示があったので、元に起こしてます。服だけ元絵が冬服だったので変更と指示が。ガソリンスタンドの制服も可愛くて好きなので、またマンホールが増えるといいですね。3巻の表紙も最高です。帽子を86に乗せて、てへぺろしている拓海が可愛い。

 

指示では拓海だけでしたが、Pから隠れ文太いれたら?とアドバイス頂いたので取り入れたら採用されました。豆腐を積んでいる最中でしょうか。

 

ロケ時、声優さんのご実家が豆腐屋さんて結構いるよね、という話に。アニメ業界は公務員家庭の人が多いイメージです。うちは観光業関連(温泉街)なので、実は今回の企画地は身近な場所でした。

 

 

 

 

 ご存知、原作4巻の伊香保デートシーンです。服装も合わせて、この絵はポスターの続きとなるよう描いてあります。実際の作業はマンホールを納品した後にポスターの作画でしたが、打ち合わせは同時期に進めていました。

 

ちょうど同じ位置くらいにマンホールが設置されている…はずなんですが。完成も設置も見てないので、早く見に行きたいと思います。そしてマンホールに描かれている自分達を見ているキャラ達を描きたい。趣味で。

 

石段街だけあって、かなり階段を上るので、いつ来ても若い人が多い気がしました。お店も若者向けのカフェが増えていたりと、原作の通り今も変わらずデートスポットのようです。この2人の絵が階段の下にあるのに、登った先で温泉に入ってるのは兄弟なのが面白いですよね。拓海となつきが入ってると思うもの。ルート的に。予想を裏切る公式。

 

渋川市は他にも日本の真ん中マンホールや、石段のマンホールもあるので、頭文字Dとご当地マンホールも、合わせて見付けて楽しんでみては如何でしょうか。

 

凹凸率がいい感じ。

 

 

 

 

 これこそ心底先生に描いて欲しかった…。

 

指示書では「服の上に『車の鍵』」とありました。しかし、設定が無いので「車の鍵である」と表現することで精一杯でした。鍵の持ち方は個性が出るので設定が知りたかったです。「いつか しげの先生に質問できたらいいなメモ」にそっと付け加えました。

 

ロケハン中に「こんな1番人が通る場所に兄弟温泉でいいんですか…」と聞くと「僕は拓海くんと樹くんの温泉案を出したんだけど女性陣の意見でね…」とトップの方が仰ってました。それはきっと、渋川観光大使でもある塚本奈々美選手のことなのではと思います。インスタのストーリーズで先日シェアして下さって、思い入れがあると仰ってたので。奈々美様は私のイニDの女神でもありメシアです…。

 

伊香保からの赤城山の眺めも是非堪能して頂ければと思います。兄弟マンホールは標高約800m付近の場所にあるので、気を付けて石段を上がって下さい。私は上がるたびに絶対空気が薄いと訴えるのですが、同行する渋川出身の友人には鼻で笑われて信じてもらえません。絶対薄いってば…。

 

 

 

 

 指示書では二人がシルエイティに寄りかかっている指定でしたが、収まりが難しく、このようになりました。キャラクターはこれ以上引くと顔の造形の維持が難しいのでギリギリのサイズです。女性キャラは特に。真子の前髪の表現が鋳造製造の性質上、デザインが難しく、目の二重も省略せざるを得ませんでした。車と人物を円の中に収めるというのは思った以上に苦労しました。

 

また追加新作マンホールがあれば真子&池谷とかいいですよね。他にもチームごとのマンホールや、原作の吹き出しセリフ有りで漫画マンホールがファン的には見たいなと思いました。群馬県全体に設置されるといいなぁと夢が広がります。

 

夢といえば、ある日電車で流れたCM。東北イケメン男子が地元を案内してくれる映像でした。拓海が渋川を、兄弟が高崎を案内してくれるCMいいなと夢見ました。妄想か…。

 

 

 

 

 

 

 

 今回キャラクターはどうしても鋳造用に表現が簡略化していくので原作のニュアンスを残して表現するのが難しいなと改めて思いました。線画も清書した線画をIllustratorでベクター線にしてそこから更にマンホール業者で型用の線に調整されるので、キャラクターは特に清書の絵からディティールが変わりますが、それも含めて鋳造型の良さなのかなと思います。制作工程も何処となくアニメ業界と似ている感じがして、馴染み易かったです。

 

 

 

 

 

おまけ:描き下ろしマンホール風イラスト

 この描画状態が最初の清書線の段階です。このくらいの密度のまま鋳造出来れば理想なのですが、難しいんですね。啓介にタバコを吸わせるのも実際のマンホール絵になると出来ないと思うので、イラストでしか描けないと思って描きました。

 

 

 

 

 頭文字Dマンホール化なんて、こんな大事な作品は数年デザインマンホールの修行をしてから描きたかった!しておけばよかった!と嘆きましたが、これからもあると信じてマンホールの勉強をしようと思います。頭文字Dはいつ何の仕事が来るか本当に分からないので、普段からプライベートで描くようにしていたのですが、マンホールは予想外でした。

生きてて良かった。

 

 

 

 

 今回は講談社様、渋川市役所様、JTB様、日之出水道機器会社様、沢山の方々と打ち合わせさせて頂き、皆様のアイディアとお力で描き上げる事が出来ました。

 

漫画『頭文字D』の作品の世界と、その舞台となった群馬県渋川市の魅力を、少しでもお伝えするお手伝いが出来て光栄です。

 

     

 

次回ポスター制作秘話につづく。

『頭文字D』荻野屋オリジナル真子グッズ

おぎのや横川店さんにて、頭文字D(佐藤真子)掛け紙イラストを使用したオリジナルグッズが販売中。

塚本奈々美選手プロデュースで、クリアファイルやハンドタオル、キーホルダーなど素敵なグッズをたくさん作って頂きました!ぜひ。

セガ ドライブゲーム『 頭文字D ARCADE STAGE Zero』

SEGAさんのゲームセンター稼働機『頭文字D ARCADE STAGE Zero』の追加キャラクターの描き下ろし原画も担当させて頂いております。

 

ゲームセンターにお越しの際はこちらも是非遊んでみてくださいませ。

 

 

 

 

 

 



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